社会人になってはじめての壁
皆様、こんにちは!
育成社員のよこちんです。
入社して数週間が経ち、僕が今一番苦労していることがあります。
それは仕事の「業務内容」でも「人間関係」でもなく、
朝の満員電車です。
専門職社員になるとフレックスや在宅で働くことが可能なのですが、
育成社員は9時〜17時半までとなっています。
そのため毎朝通勤ラッシュに直撃し過酷な「椅子取りゲーム」から一日が始まります。
今日はこの椅子取りゲームにおいて、僕が最も注視しているポイントについてお話したいと思います。
まず第一に注視するのは、1つのドアに対して形成される「左右2列の並び列」です。
1つのドアを巡って、左の列と右の列が対峙する。
僕はいつもこの構図を「東軍vs西軍の団体戦」だと思っています。
そして、東西の列の先頭に立つ人物のことを、
この戦の命運を握る「チームリーダー」と心の中でこっそり呼んでいます。
もし僕が所属する東軍のリーダーが、控えめな性格で乗客が降りきっても
様子を見ながらノロノロ乗り込むタイプの人間だった場合、どうなるか。
東軍、全滅です。
その瞬間に東軍ラインは目詰まりを起こし、僕らは車内へ進む権利を奪われます。
その隙に、ライバルの西軍リーダーが物怖じしない突破型タイプだった場合、
西軍の兵士たちだけが車内奥へとなだれ込み、目の前の座席を総ざらいしていくのです。
このように
リーダーの一挙手一投足でその列全員の通勤の過ごし方が決まる
と言っても過言ではありません。
……と、毎日いち軍団員として他人の立ち回りに一喜一憂していたのですが、
この前ついに、僕自身が「東軍リーダー」になってしまう日が訪れました。
今度は一転して、背中に猛烈なプレッシャーがかかります。
ふと後ろを振り返ると、疲れた顔のサラリーマン、お腹の大きな妊婦さん、
そして腰の曲がったおばあちゃんが並んでいる。
僕が一歩日和ってドア付近で立ち止まった瞬間、
後ろの妊婦さんやおばあちゃんが座れる可能性はゼロになります。
見知らぬ他人の通勤時間を背負わされているという謎の責任感と、
「この期待に応えられるだろうか」という極度の不安が僕を襲います。
しかも、対する西軍のリーダーを見ると、
「降りる人達を一切待たず扉が開くや否や、中に飛び込んでいきそうな目が血走ってる50代のおじさん」。
この「周りからどう思われようが全然関係ない!」という、
周囲の空気を一切読まなそうな頑固な感じ。
強い。
絶対に勝てない。
……ついに列車が到着し、この勝負どうなったか。
そのおじさん、ホームで腕を組んだまま、微動だにせず立ち尽くしていたのです。
「え、乗らないの……?」
まさかの「一本見送り」。
あんなに強者感を醸し出していたおじさんは、車内の乗客の多さにビビって完全に白旗をあげたのです。
当然、後ろに続く人たちからの「乗らないなら邪魔だからそこどけよ」という
冷ややかな眼差しもおじさんには全く響いておらず、
我が東軍は呆気なく「不戦勝」を収めました。
まあ不戦勝とはいえこの押しつぶされそうな不安を乗り越えて一歩を踏み出したことこそが、
もしかしたら『社会人への第一歩』なのかもしれないと謎の達成感に浸っていた翌日、
僕はある事実を知ることとなりました。
一本後ろの列車が「当駅始発」……
あのおじさんは最初からそのすぐあとに来る当駅始発を待っていただけだったのです。
「勝った!」と確信して、わざわざ超満員のギューギュー詰めの車内になだれ込んでいた僕は、
勝利どころか、プロの通勤サラリーマンであるおじさんに完全に敗北していました。
その日以来、僕はあのおじさんと一緒に一本後ろの当駅始発に乗って優雅に通勤しています。
皆様も朝の通勤、どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ!